昨夜はミュージカル「ハミルトン」へ。
同作は建国の父の一人であるアレクサンダー・ハミルトンの生涯を描く。英国王ジョージ3世以外をすべて有色人種が演ずることや、歴史物だが音楽はヒップホップやR&B、ロックであることでも話題、2016年トニー賞11部門受賞作。また、昨秋マイク・ペンス(当時・次期副大統領)が観劇した際、キャストがペンスに対するメッセージを読み上げたことでニュースになった(さらに当時の次期副大統領がこれに反応して「過大評価された(overrated)ハミルトン」とツイートした)。
米国では有色人種の役を白人が演じる場合があり(「ホワイトウォッシュ」)、批判されている。前記の白人役も有色人種が演ずることは、ホワイトウォッシュと逆のパターンであり、同様に批判もある。この点をどう捉えるべきかずっと気になっていたが、現代の移民が建国の父を演ずることにより、米国を作ったのは移民やその子孫達という事実を突き付けようとしているのではないかと感じられた。米国の歴史は、先に来た移民が後に来た移民を排除することの繰り返しだが、そのことを表現しようといしているのだろうか、とも。
作品中でしばしば使われる "talk less, smile more" というフレーズは、原作・脚本・作詩・作曲・主演*1のリン・マニュエル・ミランダはオバマが大統領に捧げたもの。この縁で、キャストがホワイトハウスで「ハミルトン」中の曲をパフォーマンスしたこともある。
ラップの聴き取りはかなり難しく、少しは上達したと思っていたリスニングに対する自信を失う面もあったが、音楽、ダンス、照明いずれもカッコよく、楽しい夜であった。
本日はウィリアムズバーグを散歩。
*1:ただし現在は他の役者がハミルトン役を務める。昨夜の主役は Javier Muñoz。