午後から一時雨。大学で校正。
2件のヘイト・クライムに関するニュースに接する。第一は、大統領選挙後ヘイト・クライムが多発しており、911の後よりも状況が悪いとするもの。ただし、その詳細はこれから、とする専門家の発言も紹介されている。
第二は、FBIが2015年のヘイト・クライムに関する統計を公表した、というもの(対象期間は昨年。大統領選挙との直接の関係はない)。これによれば、2015年の米国におけるヘイト・クライムの状況は、大要、以下。
○2015年には、5,850件の事案(5,850 hate crime incidents)が報告された。これらの事案には6,885件の犯罪(6,885 offences)が含まれる。
○ 偏見のカテゴリに1つ該当する事案(single-bias incidents)は、5,818件、被害者7,121人。
- 59.2%は人種/民族/家系(ancestry)に対する偏見によるもの(このうち、52.7%が黒人に対するもの、18.2%が白人に対するもの、9.4%がヒスパニック/ラティーノに対するもの。アジア人に対する偏見によるものは3.3%)。
- 19.7%が宗教に対する偏見によるもの(このうち、51.3%がユダヤ教に対するもの、22.2%がイスラム教に対するもの。仏教に対するものは0.1%)。
- 17.7%が性的嗜好(sexual orientation)に対する偏見によるもの。
○ 偏見のカテゴリに複数該当する事案(multiple-bias incidents)は32件、被害者52人。
○ 4,482件が人に対するもの。このうち、41.3%が脅迫、37.8%が単純暴行(simple assault)、19.7%が加重暴行(aggrivated assault)。
○ 2,228件が財産に対するもの。このうち、72.6%が損壊行為。
○ ヘイト・クライムが生じた場所で最も多いのは住宅付近(31.5%)。
○ 行為者が判明している件数は5,493件。このうち48.4%が白人、24.3%が黒人、16.2%が人種不明の者による。
○ 州ごとのデータはこちら。
○ カウンティごとのデータはこちら。
○その他のデータはこちら。
人口10万人あたり州ごとの報告数の順位と、10万人あたりの件数を地図に落とし込んだものは以下(上記、州ごとのデータから作成。ハワイはN/A)。さてどう読み解くか。暗数や、人種的多様性等も考慮する必要があるだろう。
帰路、セイザー・ゲートがライトアップされていた。